メタバースとは? VTuberの活動の場となり得るのか?
2024.07.30「メタバース」という言葉をよく耳にするようになりました。
最近はAIやXR技術が発展し、メタバースは未来の技術から現実的に遊べるサービスに近づいてきました。
大手VTuber事務所もメタバースを活用することを明言しており、VTuberにとっても「メタバース」は無視できないものになりつつあります。
この記事ではメタバースに関する基本情報、関連技術、そしてVTuberとメタバースの関わり方について解説します。
メタバースとは?
メタバースとは、「meta」(超越した)と「universe」(宇宙)を組み合わせた造語で、インターネット上の仮想空間を指します。
この概念は90年代初期からあるのですが、技術の進歩によりメタバースは現実のものとなりつつあります。
SNSに変わるインターネット上の新たな交流の場として注目されています。
【関連記事】
メタバースの技術要素
メタバースは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、ブロックチェーン、人工知能(AI)などの技術によって支えられています。これらの技術が組み合わさることで、ユーザーは没入感のある体験を得ることができ、仮想空間内での活動が可能になります。
VR(仮想現実)とAR(拡張現実)
VR(仮想現実)はユーザーを完全に仮想世界に没入させる技術です。
専用のヘッドセットを装着することで、ユーザーは仮想空間内を自由に移動し、さまざまな体験を楽しむことができます。
AR(拡張現実)は現実世界に仮想オブジェクトを重ね合わせる技術です。
スマートフォンやAR対応デバイスを通じて、現実の風景にデジタル情報を追加することで、現実世界を拡張することができます。
ブロックチェーン技術
ブロックチェーンは分散サーバに取引履歴を改ざん不可能な形で記録する技術です。
この技術を活用したNFT(非代替性トークン)はデジタルアイテムに発行枚数や所有権の概念を付与し希少性を持たせます。
直接的に3D空間を実現する技術ではありませんが、デジタル空間に使用されるお金やデジタルアイテムの流通を担う基盤インフラとして注目されています。
5G(高速インターネット)
リアルタイムでの大規模な仮想空間を運用するには5G(高速インターネット)技術が不可欠です。
5Gは低遅延で高速な通信を提供し、仮想空間内でのリアルタイムなインタラクションを可能にします。
これにより、多くのユーザーが同時に接続し、スムーズに仮想世界での活動を楽しむことができます。
メタバースの利用例
実際にどのような場面でメタバースが使われるのか、具体例を以下で説明します。
エンターテインメント
メタバースをエンターテインメントの場として活用すれば、バーチャルライブやアイドルとの交流会を行うことができます。
動画ライブ配信と異なり、自宅にいながら推しと近い距離感でコミュニケーションをとる体験をリスナー届けることが可能です。
この特性はVTuberなどのバーチャルタレントと相性が良く、3Dアバターをそのままに仮想空間で活動することができます。
ゲーム
オープンワールドゲームは時にメタバースとして語られることがあります。
例えば、FortniteやMinecraftなどの人気ゲームは、仮想空間での交流や創造を促進するプラットフォームとして成功を収めています。
これらのゲーム配信をストリーマー間で行うことで、メタバースを動画コンテンツとして提供することもできます。
教育/ビジネス
学生やビジネスパーソンの交流の場としてメタバースが利用されることがあります。
学校の同級生やチームメンバーは物理的な距離に関係なく、一緒にプロジェクトを進めることができます。
例えば、仮想空間でのミーティングやプレゼンテーション、プロジェクト管理が行われており、従来のリモートワークでは実現できない人との距離感を仮想的に実現できます。
メタバースとVTuber
メタバースはVTuberに新たな活動の場を提供します。
仮想空間内でリアルタイムでリスナーや他の配信者と交流し、コンテンツを提供することで、ファンエンゲージメントが向上します。
例えば、VTuberはメタバース内でバーチャルライブを開催し、ファンと直接コミュニケーションを取ることができます。
また、仮想グッズの販売や限定イベントの開催など、新たな収益化の手段を得ることができます。
VRChat
VRChatは他ユーザと交流することが可能なSNSのような特性を持ったメタバースで、ピーク時には数万人するプラットフォームです。
VTuberの3Dモデルにも採用されるVRM形式の3Dアバターを使用することができるため、バーチャルタレントの活動の場としても利用されてきました。
バーチャルライブやファンミーティングを開催可能。新たなファン層の開拓にもつながります。
VTuberとメタバースの成功事例
VTuberによるメタバースの成功事例として、FortniteやMinecraftなどのゲーム配信やストグラ、にじGTAのようなストリーマー間のロールプレイング配信が挙げられます。
なかなか実用化が進まないメタバースにおいて、ライブ配信者はメタバースを自らのコンテンツとしてうまく取り込んでおり、このような事例はVTuberがメタバースで活躍する可能性を示しています。
まとめ
メタバースは私たちの生活や働き方、エンタメのあり方を大きく変える可能性を秘めています。
特にバーチャルタレントの新たな活動の場や収益化の手段としての可能性を秘めています。
一方でリスナーが楽しめるコンテンツとしてはまだまだ技術的な課題も多く、これらの課題を克服しながらメタバースの可能性を最大限に活用した未来のデジタルエンターテインメントを創造していくことが重要となります。